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2008/11/15
今回から3回にわたり社会保険の身近な例をケーススタディ形式でわかりやすく解説していきます。
◆◇ 労災保険のケーススタディ ◆◇
登場人物
名前:マスオさん
年齢:30歳
職業:会社員
家族構成:サザエさん(妻)、タラちゃん(子)
< Case1 >
Q.出勤するためアパートを出たマスオさんは、自宅マンションの階段で転んでケガをした。治療費はかかりますか?
A.治療にかかる本人負担は0円となります。
■通勤災害の要件
労災保険は業務上(仕事中)のケガのみならず、通勤中のケガも対象としています。
認められるためには自宅と会社の間を合理的な経路及び方法によって往復する間に発生していることが条件です。
■病院を選ぶこと
ケガをしたら、ふだん行きつけの病院や最寄りの病院に行けばいいのか?というとそうでもありません。
労災保険は現物給付が原則になっています。
つまり、お医者さんの治療を受けたり、薬局で処方箋のお薬をもらったりといったサービスが無料で受けられるということです。
ですので、労災指定病院、都道府県労働局長が指定した病院、診療所、薬局で治療を受ける必要があるのです。
これらの病院にかかることが時間的、地理的に困難などの理由からこれら以外の病院にかかった場合は現金で立て替え払い(100%負担)し、後日領収書と請求書を労働基準監督署に提出して還付を受けなければなりません。
ですので、面倒をさけるためにも自宅近くの労災指定病院を調べておくことをオススメします。
総合病院であればあらゆるケガに対処できるので便利です。
【まとめ】
■業務上・通勤上の災害による治療を受ける前には、必ずその病院が『労災指定医療機関』かどうか確認すること。
■『労災指定医療機関』にて治療を受ける際には『療養補償給付たる療養の給付請求書』を提出することにより、治療費の自己負担が0円になります。ただし、労災に加入していることを伝えて先に治療を受け、後ほど給付請求書を提出することもできます。
■『労災指定医療機関』以外の場合は先に100%立て替えて、後日還付請求になります。
< Case2 >
Q.会社帰りにトイレットペーパーを買うため、スーパーに立ち寄ったマスオさん。帰る途中、自宅前で転んでケガをした。治療費はかかりますか?
A.治療にかかる本人負担は0円となります。
■通勤途中に寄り道をした場合
なぜ、労災保険は通勤途中における災害まで補償をしているのでしょうか?
それは通勤は就業のために行われるものだからです。
ですので、寄り道した場合は、それ以後にケガをしても労災の対象にはなりません。
認められている寄り道もあります。
■厚生労働省で定める日常生活上必要な行為
@日用品の購入その他これに準ずる行為(コンビニに立ち寄る、クリーニング屋へ立ち寄る、理髪店・美容院に立ちよる)
A公共職業能力開発施設において行われる職業訓練、学校で行われる教育、その他これらに準ずる行為であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
B選挙権の行使その他これらに準ずる行為
C病院で診察または治療を受ける行為等
では、スーパーの中で階段で転ぶなどしてケガをした場合はどうなるかといいますと、労災の対象になりません。
あくまでも寄り道をし、その後通常の通勤経路に戻っていることが条件です。
【まとめ】
■寄り道すると労災の適用は基本的に無くなります。
■ただし、日常生活上の行為については、その間を除き、またもとの通勤経路にもどった場合は労災の適用があります。
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2008/11/08
【ソース】日本経済新聞5面:11月8日
■非正規社員 4割弱に
厚生労働省の就業形態についての実態調査によると、労働者に占める非正規社員の割合は37.8%となり、前回2003年の調査から3.2ポイント上昇しました。
■非正規社員とは
契約社員、派遣社員、パートタイマーなどの正社員以外の労働者の事です。
中でも派遣労働者については2003年と比較して2倍超の4.7%に増加しました。
参考URL:http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/syugyou/2007/1107-1.html
上記URLをみていただけるとわかるのですが、非正規社員についての調査が企業側と非正規社員側の両面から詳しく実施されており、非常に興味深い結果になっています。
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2008/11/01
◆◇ 年金のキホン〜後篇〜 ◆◇
前回は日本の年金の特徴についてみました。
今回はもう少し具体的にみていきます。
■国民年金の被保険者(年金保険料を支払う人)の種類
第1号被保険者・・・自営業、学生、農業、無職など日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人
第2号被保険者・・・厚生年金・共済年金の加入者で70歳未満の人(サラリーマン・公務員が該当します)
第3号被保険者・・・第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の人(サラリーマン・公務員の妻が該当します。)
■第1・3号被保険者が受ける国民年金からの給付(もらえるお金)
・老齢基礎年金
・障害基礎年金
・遺族基礎年金
■第2号被保険者(サラリーマン・公務員)が受ける厚生年金(共済含む)からの給付
・老齢基礎年金+老齢厚生年金
・障害基礎年金+障害厚生年金
・遺族基礎年金+遺族厚生年金
厚生年金は報酬比例で支払った厚生年金保険料に対応する年金です。
国民年金に上乗せして支払われます。
■65歳からの老齢基礎年金
国民年金は60歳まで保険料を納め、65歳からもらうことができます。
もらえる金額は下記のとおりです。
老齢基礎年金受給額=792,100円×保険料納付済月数(一定の免除月数含む)÷480月
20歳から60歳まで40年納めた場合の満額受給額
年額:792,100円
月額:66,008円
■65歳からの老齢厚生年金
50歳になると、社会保険事務所に行けば60歳時と60歳以降の厚生年金の見込み額を教えてくれます。
先にも述べましたが、厚生年金は報酬比例で保険料を支払っていることから、報酬の高い時期もあれば低い時期もあり、まさに千差万別です。
ですので50歳までは残念ながら具体的な受給額を知ることは不可能です。
しかし、PCソフトによってシミュレーションすることは可能です。
当事務所においてもシミュレーションは可能ですので、興味がある方はご連絡ください。
■プラスアルファの公的年金
・国民年金基金・・・第1号被保険者のみが加入できます。
・厚生年金基金・・・業種ごとに作られているケースが多いです。(○○業厚生年金基金)
・その他農業者年金基金など
■プラスアルファの私的年金(会社の退職金制度)
・税制適格退職年金(通称:適年)・・・平成24年3月31日に廃止になります。それまでに他制度へ移行しなければならないことになっています。(税制優遇措置あり)
・自社年金・・・会社が任意で金融機関と契約して、独自に掛け金や年金額を設定して運用するというもの。(税制優遇措置なし)
・確定拠出年金(401K)・・・従業員が会社の用意した金融商品の中から好きな商品を選択して運用します。“確定拠出”というのは、拠出する掛け金は会社が全額負担するという意味です。その後の従業員の運用次第で将来もらう年金額が上下することになります。
・退職一時金・・・年金ではありませんが、退職一時金は老後の生活にとって非常に重要です。
■プラスアルファの私的年金(自分で金融商品を購入し備える)
個人年金は各種金融機関にて様々な種類の商品が用意されています。
・普通銀行、信託銀行
・証券会社
・生命保険会社
・その他郵便局、農協、全労災
年金のまとめ
■原則年金がもらえるのは65歳から → 少なくとも65歳までは働き続けなければならない!
■65歳になっても国民年金だけでは生活できません(満額で月66,008円) → プラスアルファは絶対必要!
■自分の年金がどうなっているのか把握することが大切です → 給料から社会保険料が引かれていれば厚生年金はあります。その他、就業規則の中に退職金規程がありますので、確認してみましょう!
■個人事業者、会社が厚生年金に入っていない、退職金制度がない場合については民間の金融機関を利用して自ら年金を作っていく必要があります。 → 何度も言うようですが、国民年金だけでは生活できません!
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2008/10/30
◆◇ 年金のキホン〜前篇〜 ◆◇
1.日本の年金の特徴
日本の年金の特徴は下記の3つになります。
(1)国民皆年金
“こくみんかいねんきん”と読みます。
その名の通り、国民全員が加入するという意味です。
国民全員が20歳になると加入し、60歳で終了です。
つまり、20歳〜60歳の国民全員が加入するのです。
この年金を国民年金(基礎年金)といいます。
ちなみにサラリーマンが加入する厚生年金は16歳〜70歳になります。
16歳からというのは、中学卒業後企業に就職するケースがあるからです。
厚生年金とは、言い換えれば報酬比例年金です。
給料が多い人は支払う保険料も多くなり、その代りもらえる年金も多くなるというイメージです。
厚生年金は国民年金に上乗せしてもらえるものです。
厚生年金の保険料の中に国民年金の保険料が含まれていると考えてください。
“国民皆年金”とは、原則国民全員が20歳〜60歳まで保険料を負担し、国民全員が65歳になると年金を受け取れるシステムです。
ただし、20歳〜60歳までの40年間に25年(300月)保険料を納めていないと1円も年金をもらうことができません。
25年に至らない場合の救済策として60歳〜65歳までの間、任意加入といって国民年金の保険料を納めることもできます。
(2)社会保険方式
公的年金の財源は、保険料収入を基本とするものですが、基礎年金の給付に必要な費用の3分の1(平成21年度までに2分の1へ引き上げ)は、国庫で負担しています。
つまり、現在は年金の保険料から3分の2、残り3分の1が税金でお年寄りの年金がまかなわれているのです。
これが来年度から2分の1ずつになる予定です。
税金の割合を3分の1から2分の1に引き上げるにあたり、その財源をどうするのか?ということはまだハッキリしていません・・・
(3)世代間扶養
上記(1)にあるとおり、現役世代が保険料を負担します。
支払った保険料を国が金庫の中にしまっておいて、お年寄りになった際に金庫から取りだしてきて“ハイ、どうぞ”と年金をくれるわけではありません。
あるいは、お役所がどこかに投資して運用してくれているわけでもありません。
現役世代が支払った保険料は、今のお年寄りの財布に年金としてそのまま入っています。
もちろん保険料だけでは足りませんので、上記(2)で述べたように税金からも年金が支払われています。
“エッ?私たちがもらえる年金はどうなるの?”と思われたかもしれませんが、私たち現役世代が受け取る年金は、私たちがお年寄りになった際の現役世代、つまり私たちよりも下の世代、これから生まれてくる子供達も含めた世代が支払う保険料でまかなわれることになります。
以上が日本の年金の特徴です。
上記(2)の社会保険方式をやめて、全額消費税でまかなう税方式にしようと考える政治家もいるようです。
消費税は年齢に関係なく誰でも負担するものなので、税方式になれば上記(3)の世代間扶養という考えもなくなります。
また、サラリーマンがこれまで報酬比例で支払ってきた厚生年金はどうなってしまうのか?と思います。
来たる?総選挙ではこのあたりに注目していきたいと思います。
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2008/10/29
いよいよ本日から全国健康保険協会(通称:けんぽ協会)がスタートします!!
■どこがかわる?
○違い1
国から切り離された機関になるので、職員は公務員ではなくなり、民間職員になります。
常勤職員2,100人程度の組織になる予定で、そのうち300人を民間から採用し、残り1,800人は社会保険庁から採用することになっています。
○違い2
協会の理事長(つまりトップ)や都道府県の支部長に民間出身者を登用することによって、民間のノウハウを取り入れてサービスの向上を図ることとされています。
理事長には小林剛・芙蓉オートリース滑ト査役が10月1日に就任予定です。
○違い3
保険料率は現在全国一律ですが、医療費には地域差があることも考慮して、都道府県単位の保険運営を目指して都道府県単位の保険料率が導入されます。
大幅に上昇する場合には激変緩和措置(保険料率を一定期間据え置くなど)が取られることになっています。
ちなみに現在の政府管掌健康保険の保険料率は8.2%で、従業員4.1%、会社4.1%という割合で折半して負担しています。
この8.2%は全国平均の数字です。
つまり、8.2%より高い県もあれば低い県もあり、それを平均して8.2%と定めているのです。
ですので、都道府県単位にすれば当然高くなるところもあれば低くなるところもあるということです。
■社会保険事務所はどうなるのか
健康保険の加入や健康保険料の納付の手続きは、従来通り社会保険事務所にて厚生年金の手続きと併せて行われます。
全国健康保険協会では、被保険者証の発行、保険給付、レセプトの点検、健康診断などを実施します。
■窓口負担は
医療機関で受診した場合の窓口負担(3割)や傷病手当金その他もろもろの現在の健康保険の給付内容(金額や受給要件)は協会設立後もかわりません。
■保険証はどうなるのか
10月以降順次協会名の新たな被保険者証への切り替えが行われます。
切り替え完了まで現在の被保険者証が引き続き使えます。
基本的に事業所を通じて切り替えが行われます。
切り替えの期間などの具体的内容は今後周知される予定になっています。
最大のポイントは保険料率が現在の全国一律から都道府県単位に変わることです。
都道府県により保険料の格差が生じることになりますが、これがどの程度になるのか注目されます。
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2008/10/28
【ソース】日本経済新聞5面:10月28日
■厚生年金・政管健保 滞納事業所12万超
厚生年金保険料と政府管掌健保(今年10月から協会けんぽ)の保険料を2007年度に滞納した事業所数は123,655件となりました。
対前年比14%の増加になりました。
社保庁は職員を年金記録問題の対応に優先的に充てており、督促や差し押さえの作業は遅れているようです。
あれだけ年金で大騒ぎしているのに企業の意識は変わっていないんだと感じました。
税金と比較して社会保険料は軽く見られている感もあります。
税金を滞納すれば融資の審査に響くというのもありますし、”国税徴収法”なる法律もあり、徴収もきびしいというのもあるかもしれません。
■未加入の事業所
厚生年金や政府管掌健保に加入義務があるのに加入していない事業所は2008年3月末時点で100,470ヵ所と1年で約3,000ヵ所の増加になりました。
こちらも相変わらずです。
老後は国民年金だけもらう形になりますので、満額でも月66,008円しかありません。
年金だけの生活は不可能です。
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2008/10/27
◆◇ 贈与税のキホン ◆◇
今回は贈与税について述べていきたいと思います。
前回は相続税について述べました。
また税金と思われるかもしれませんが、相続税と贈与税は一心同体の税金です。
相続税法は一税法二税目という少々変わった税金です。
つまり、相続税法というくくりの中に相続税と贈与税という二つの税目があるのです。
■贈与税は相続税の補完税
相続税は財産をお持ちの方が亡くなった際に亡くなった方の財産に対して課税されます。
では、資産家の方からすればなるべく死ぬまでに財産の少ない状態にしておきたいという考えになります。
そこで生前に奥さんや子供や孫に財産を渡して、財産なしの状態で死ねば相続税はかからないだろうと考えるわけです。
そういった租税回避を防止するために贈与税があるのです。
ですので贈与税は相続税の補完税と呼ばれたりもします。
■贈与税の基礎控除
相続税の基礎控除が5,000万円+1,000万円×法定相続人の数ということは前回お話ししました。
この基礎控除の規定により100人中数人しか相続税はかかりません。
贈与税の基礎控除はたった110万円です。
相続税に比べるとはるかに低いといえます。
理由は先に述べたとおりです。
■計算方法
贈与税は1月1日〜12月31日に贈与を受けた人がその年の翌年2月1日〜3月15日までに贈与税の申告・納付をします。
< 例 >
贈与をした人:父親
贈与を受けた人:子
贈与財産:現金200万円
【計算方法】
(200万円−110万円(基礎控除))×10%(税率)=9万円
このような具合です。
ですので、相続税がかかってしまうような資産家の方は多額の贈与税を支払わなければ資産の移転はできないようになっています。
■相続税との関係
相続税の計算上も贈与税が絡んでくるケースがあります。
それは贈与があった日から3年以内に贈与した人が死亡した場合です。
上記例でいいますと、父親が子に贈与をした日から3年以内に死亡したとします。
そうすると、相続税の計算上、200万円が相続財産になります。
そして、子が支払った9万円は贈与税額控除という名目でこの相続税から控除されます。
このことからも贈与税は相続税の補完税であることがわかります。
■相続時精算課税制度
これは数年前にできた制度です。
1月1日において65歳以上の者から1月1日において20歳以上である推定相続人に贈与をした場合、2500万円まで無税とし、超える部分に20%の贈与税を課すというものです。
ただし、通常の贈与税は贈与の日から3年すぎれば相続税との関係はなくなりますが、精算課税はその名の通り贈与から何年たとうが必ず相続税時に相続財産に算入されます。支払った贈与税がある場合は相続税額から控除できます。
< 例 >
贈与をした人:父親
贈与を受けた人:子
贈与財産:現金3,000万円
【計算方法】
(3,000万円-2,500万円)×20%(税率)=100万円
相続税は非上場のオーナー企業の株式にも課税されます。
もちろん贈与税もしかりです。
非上場の場合、社長=株主が多いのですが、基礎控除が110万しかない贈与税では事業承継のために株を贈与しようとした場合、莫大な贈与税がかかる可能性があります。
ですので、年齢や対象者を将来相続人になるであろう人(推定相続人)と限定して円滑な事業承継を行うためにこの制度ができたのです。
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2008/10/26
◆◇ 相続税のキホン ◆◇
今回は相続税について述べていきたいと思います。
相続税はあまりなじみがない税金ですが、個人が支払う所得税、会社(法人)が支払う法人税とあわせて国税3法と呼ばれる国にとっては重要な税金です。
消費税とあわせて国税4法などとも呼ばれています。
なぜなじみがないのか?ということについては後々述べていきます。
1.相続には順位がある
民法に定めがあります。
第1順位・・・・子 +配偶者
第2順位・・・・両親(両方死亡の場合は祖父母) +配偶者
第3順位・・・・兄弟、姉妹 +配偶者
配偶者は必ず相続人になります。
<ケース1>
夫死亡
妻 → 配偶者なので相続人
子 → 第1順位なので相続人
夫の両親 → 第1順位がいるため相続人にならない
夫の兄 → 第1順位がいるため相続人にならない
<ケース2>
夫死亡
妻 → 配偶者なので相続人
子はいない
夫の両親 → 第2順位なので相続人
夫の兄 → 第2順位がいるため相続人にならない
<ケース3>
夫死亡
妻 → 配偶者なので相続人
子はいない
夫の両親 → 両方とも夫の死亡の以前に死亡
夫の兄 → 第3順位なので相続人
2.相続人と法定相続人
上記1において相続人について述べました。
しかし、相続は資産だけではなく債務も引き継ぐことになることから、相続人の中には債務を引き継ぎたくないなどの理由で相続の放棄の手続きを家庭裁判所にすることができます。
そうすることにより相続人ではなくなります。
法定相続人とは、相続の放棄があった場合においてもその放棄がなかったものとした場合における相続人をいいます。
この法定相続人は下記の相続税の計算上、使っていきます。
3.相続税の計算方法
■ステップ1
死んだ人の財産全部から借金などの債務を差し引きして、正味の財産の合計を出します。
○計算法
(1)土地、家屋、株式、預貯金などの相続財産
(2)生命保険、退職金などのみなし相続財産
(3)相続時精算課税適用財産
(4)債務
(5)相続開始前3年以内の贈与財産
(1)+(2)+(3)−(4)+(5)=(6)相続税の課税価格の合計額
■ステップ2
税率をかけて相続税の総額を算出します。
○計算法
((6)相続税の課税価格の合計額−(7)基礎控除)×税率=(8)相続税の総額
■ステップ3
相続税の総額を各人ごとに按分し、各人ごとの相続税額を算出します
○計算法
(8)相続税の総額×各人ごとの課税価格/(6)相続税の課税価格の合計額=(9)各人ごとの相続税額
(9)各人ごとの相続税額−各人ごとの各種税額控除額=各人ごとの相続税申告納税額
< 例 >
夫死亡
妻 → 土地、家屋など2億円を取得
子 → 株式など1億円を取得
(2)〜(5)までは無しとします。
(6)相続税の課税価格の合計額は1億円+2億円=3億円になります。
(7)基礎控除は5000万円+1000万円×法定相続人の数(妻と子の2人)=7000万円になります。
この基礎控除( 5000万円+1000万円×法定相続人の数 )の規定があるため、相続税は100名死亡してもそのうち数名しか発生しないのです。
ですのでなじみがない税金なのです。
計算を続けます。
((6)3億円−(7)7000万円)×税率=(8)相続税の総額5800万円
5800万円を妻と子で按分します。
妻:(8)5800万円×2億円/(6)3億円=(9)38,666,666円
子:(8)5800万円×1億円/(6)3億円=(9)19,333,333円
(税額控除以下省略)
このような形で相続税は計算されます。
基礎控除が5000万円+αあるため、なじみのうすい相続税です。
相続税が問題になるのは、地主と中小企業のオーナーの場合です。
地主の相続の場合、相続税は現金払いが原則ですので土地を売り現金に換えて納付したり、それができない場合は土地を納付(物納)したりと大変です。
地主さんより大変なのは中小企業のオーナーの相続の場合です。
その中小企業の株式が財産扱いですので、上場株でさえ1株数百円から数千円にもかかわらず相続税の評価上、優良な中小企業ですと1株が何万もし、かつ、地主さんのように土地ならば売却して換金できますが、非上場のオーナー企業の株など買い手はいませんので問題になるのでです。
そういった事情から事業承継対策を考える上でこの株の取扱いがポイントになります。
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2008/10/25
【ソース】日本経済新聞38面:10月25日
■残業代未払いの指導・最多の1728社
残業代を支払っていなかったとして労働基準監督署の是正指導を受け、2007年度に100万円以上の未払い残業代を支払った企業が1728社にのぼることが厚生労働省のまとめでわかりました。
未払い残業代の総額は272億4261万円にのぼりました。
企業数、未払い残業代ともに過去最高です。
■さらに細かくみますと
労基署の是正指導後に残業代を支給された労働者は17万9543人、企業1社当たりの平均支払額は1577万円、1社で1000万円以上支払った企業は275社になります。
参考URL:http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/10/h1024-1.html
まともに残業代を支払うと企業経営が立ち行かなくなるというのが経営者のホンネでしょうね。
2008年度は大企業の”名ばかり管理職”が話題になったこともあり、さらに金額が増えるのではないでしょうか??
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2008/10/24
◆◇社会保険庁の解体について◆◇
皆さんご存じの通り、社会保険庁が解体されます。
では社会保険庁は解体後どうなっていくのでしょうか!?
■解体後の組織は?
社会保険庁は2つの組織に解体されます。
・日本年金機構
・全国健康保険協会
■いつ解体される?
・日本年金機構 → 平成22年1月からスタート
・全国健康保険協会 → 平成20年10月からスタート
ここからは1か月半後にスタートする全国健康保険協会にスポットをあてていきます。
■どこがかわる?
○違い1
国から切り離された機関になるので、職員は公務員ではなくなり、民間職員になります。
常勤職員2,100人程度の組織になる予定で、そのうち300人を民間から採用し、残り1,800人は社会保険庁から採用することになっています。
○違い2
協会の理事長(つまりトップ)や都道府県の支部長に民間出身者を登用することによって、民間のノウハウを取り入れてサービスの向上を図ることとされています。
理事長には小林剛・芙蓉オートリース滑ト査役が10月1日に就任予定です。
○違い3
保険料率は現在全国一律ですが、医療費には地域差があることも考慮して、都道府県単位の保険運営を目指して都道府県単位の保険料率が導入されます。
ですので、今後保険料があがる都道府県もあれば保険料が下がる都道府県も出てくることになります。
大幅に上昇する場合には激変緩和措置(保険料率を一定期間据え置くなど)が取られることになっています。
■社会保険事務所はどうなるのか
健康保険の加入や健康保険料の納付の手続きは、従来通り社会保険事務所にて厚生年金の手続きと併せて行われます。
全国健康保険協会では、被保険者証の発行、保険給付、レセプトの点検、健康診断などを実施します。
■窓口負担は
医療機関で受診した場合の窓口負担(3割)や傷病手当金その他もろもろの現在の健康保険の給付内容(金額や受給要件)は協会設立後もかわりません。
■保険証はどうなるのか
10月以降順次協会名の新たな被保険者証への切り替えが行われます。
切り替え完了まで現在の被保険者証が引き続き使えます。
基本的に事業所を通じて切り替えが行われます。
切り替えの期間などの具体的内容は今後周知される予定になっています。
最大のポイントは保険料率が現在の全国一律から都道府県単位に変わることです。
都道府県により保険料の格差が生じることになりますが、これがどの程度になるのか注目されます。
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